2010年6月18日金曜日

大人ワークショップも承ります。

壊れ物の梱包などに使う、クレープペーパーという皺の入った紙を使い大きめの花を制作してみました。花の作り方は紙を4~5枚重ね、互い違いに折り、真ん中を留め、一枚づつ開くという、お花紙で作るお花と同じ方法で作っています。
紙に厚みと柔軟性があるため、とても立体的な花が作れます。塗装は溶いた絵の具を、スプレーに入れて吹きつけました。紙の地の色が薄茶のクラフト紙の色のため、絵の具が透けて渋い色調になります。用意した色は赤、青、黄、に黒と4色ほどですが重ね具合により複雑な色調が現れます。
上の写真は鳥の模型と共に、カチューシャのベースに取り付け大きなヘッドアクセサリーにしてみました。

花を1人三つずつ作り、塗装をし、取り付け作業などを含めトータルで1時間ほど、絵をいきなり描いたりはちょっとという方もこんなアートはいかがでしょうか?
大人ワークショップも承りますのでお気軽にご相談ください。


2010年6月12日土曜日

雨の色

雨が何色なのかというのはなかなか答えるのが難しい質問です。実際雨を見ているときには外の景色も同時に見ているので、景色にうっすらとかかる膜、といった形で雨を見ているのではないかと思います。
水なので何となく青というのが共通してイメージしている色でしょうか、今回の制作では実際に絵の具を紙の上を滴らせるという行為を通して雨のイメージを各自作り出して見ました。







6歳児作品 
傘部分は透明ビニールシート、垂直に立てた紙の上部から絵の具を滴らせると、傘の上は絵の具がしみこまず滑り落ちていきます。色が落ちる様が面白くて繰り返し、繰り返す間に様々な色を使い、段々と
それぞれの雨の色が作られていきます。この作品風が強そうです。



4歳児作品

描いているのは雨でも実際には、雨を通した人物の周囲の情景を描いていると言って良いでしょう。青からスタートし、赤を混ぜ紫に、更に白、黄色、黒、灰色がかった色の塊が雨雲を思わせる形に変化していきます。こちらはかなり強い雨。



あくまで絵の具の液体としての物質性にこだわる子もいれば、画面のバランスに配慮する子もいます。





4歳児作品
こちらは垂直の筋としての雨を強調しています。何かを待っている感じでしょうか。





4歳児作品
様々なグレイ、ベージュを用いて雨を表現した例。楽しい感じの雨です。散歩しているよう。

5歳児作品
線の集積が奥行きを感じさせます。曇った紫色が湿った暖かさを演出しています。
子供たちが作品を作る時、何らかのヒントとなるテーマ、技法などは必要ですが、やっている間にいつの間にかこだわりを見いだせるように、テーマを限定しすぎず、抽象的な部分を残しておくことはとても大切です。雨であって雨にとらわれすぎない隙を作っておくことともいえます。
















2010年6月11日金曜日

梅雨の作品

6歳児作品 紙版画 インク、和紙など42×32(cm)

紙を切り抜いて貼り、版にする紙版画でアジサイを作りました。背景の色の切り替えと画面上部のハートが良い感じです。 いくつかの試作を経てこの一枚に至っています。



4歳児作品 アジサイのレリーフ キャンバス地、板、絵の具 30×15(cm)

油絵の具などに使うキャンバスを切り抜いて、レリーフを制作してみました。淡い色合いの中に紙とはまた違った質感が現れます。


4歳児作品 アジサイのレリーフ





3歳児作品 紙版画 カタツムリ  インク、紙、サイズB4

このくらいの年齢の子が渦巻きを切るのはなかなか難しいのです。一旦ローラーで着けたインクを、スポンジでこすってから印刷したので、掠れが良い感じです。これ本人が発見した方法です。


4歳児作品 雨と傘 透明ビニールシート、絵の具、厚紙、ペン

人物と傘を先に作り、紙に貼り付け、紙を垂直に立てて絵の具を滴らせています。紙の上を絵の具が滑り落ちていく様は歓声が上がるほど。ちなみに3人の人物は、作者本人とマイケルジャクソンと仮面ライダー。


4歳児作品 カタツムリの家族 粘土、厚紙、絵の具、木材 大きさ3~5cmくらい
粘土をひも状にして半分くらい丸め、マッチの木材の部分を、目として取り付ければカタツムリの出来上がり。一度やり方が分かると繰り返したくなります。台座を含めこのマットな暗いグレーがこの作品を印象的にしていると思います。
雨の日の外出はいやなものですが、梅雨の季節は花、虫、自然現象と魅力的なモチーフが多いと思います。












2010年6月3日木曜日

テーマは…

スタイロフォーム、木材ブロックなどをボンドで接着しながら自由に形を作っていきます。絵の具を塗ったり、流しかけたりしながら着色。草のように見えるところは、模型用のスポンジです。
4歳児作品 23×15×10(cm)
この方法で作品を作ると、家の模型や、町の景色のようなとても自由な造形物が出来上がります。
上の作品は右下が入口で、実は中に通路ができています。ブロックを壁や屋根といった部材として扱っています。屋根も作ってあるので1つの建物全体を見る視点で作られています。

4歳児作品 23×15×25(cm)
お城のような塔が印象的な作品。絵の具を溶いた紙コップをそのまま接着していました。
こちらはブロックのひとつひとつに内部の空間をイメージしていると思われます。上記の作品よりも俯瞰した視点で作られていてスケール感の違いがよくわかります。
4歳児作品 23×15×20(cm)
こちらは建物内部と、外観が融合したような抽象的な構成です。部分的に机など具体的なものも作られています。色が全体の印象を引き締めポイントになっています。
自由に作らせるポイントは、最初に接合方法だけ説明し、具体的なテーマを与えないことがポイントです。ブロックを積みながら、手を動かしながらイメージをひねり出していくことで、それぞれの視点が明らかになります。はじめに「家をつくる」と指示をしたら実際の家の形にとらわれ、それを再現することが目的になるでしょう。
5歳くらいまでの子供は何もテーマがなくても、素材そのものから自分でテーマを探し出すことができます。作ることが対象を写すことだけではないからです。遊びであり、実験であり、子供なりの研究でもあります。「何を作ったのか?」を大人はどうしても気にしてしまいますが、なんでもなくても何かできていることが、よくあります。理解しがたいですが、表現の理解しがたい部分を、感覚的につかんでいるともいえます。人の一生でこの年代だけの特徴です。



2010年6月1日火曜日

着る絵

セメントなどを入れる大きなクラフト紙でできた袋、これの片面を真ん中で切り、底の両角を斜めにカットします。腰のあたりに切り込みを入れ、紙製のベルトを通せば着物風のジャケットの出来上がり。
紙なので絵の具で好きな絵をかけます。
4歳児作品
襟の色を変えたり、後ろと前で絵柄を変えたりとそれぞれデザインに趣向を凝らしています。


4歳児作品
でもなんといっても自分で作ったものが、着れてしまえるところがなんとも興奮するところ。
絵の具が乾くのを待ち切れず試着しています。

5歳児作品
イースター時期でしたので卵デザインが目立ちます。


絵=壁に飾るもの こういった意識がそれほど強くないうちに、見せることの様々なバリエーションを経験するのが大切かと思います。人間の飾ることへの根源的な欲求を感じさせる熱狂ぶり、の制作でした。