”秋の木” カラーフィルム、スチロール棒、厚紙、 サイズB4、 3~4歳
子供が実際に物を見てそれを写し取ろうと試みるのはだいたい5~6歳になってからといえます。
それまではいわゆる写生を行うという考え方自体がなく、絵を描くときにモチーフを必要としません。
たとえば3歳くらいの子に実際に木を見せて、その木を描くかといえばそうではなく
それぞれが頭の中にある自分の知っている木を描きます。
紅葉という言葉は知らなくてもこの時期
いつも緑の葉っぱの色が変わり、はらはらと落ちたりするということは
何となく気づいているようです。
木を見上げると、葉の重なりは実に複雑な緑のグラデーションを作り
色が太陽の光なしには生まれないことを実感させてくれます。
様々な色のカラーフィルムの重なりによって起きる色の変化に、子供たちは興味津津。
目に近付けて色の変化を楽しみます。
写すことに縛られないがゆえに作れるものがあります。
それが作れるのは4歳くらいまで
おそらく人が生きている間でその時だけです。
大人よりも低い視点から見る木
想像すると物の見方がすこし変わります。